たっくんのボードゲーム日記

No.218
ドン
Don
プレイ人数:3 - 6
プレイ時間:約30

ルール難易度 簡単な部類に入る
日本語化 不要



コンポーネントは30枚のカードと、大きめのチップだけの競りゲームです。


カードのスートは6種類、0~9の数字が書かれているのだが



その構成はスートによってバラバラ




6種類なので、各スートごとに5枚ずつある


このカードが競り落とす対象商品。



同じ色のカードを集めるほど高得点になります。



カードの数字は得点には関係ない。


さて、もう1つのコンポーネント、オレンジのチップ



けっこう大きめ。1人12枚ずつ持ちます。

これがカードを競り落とすためのお金。



競りのやり方は、まず山札から1枚めくります。




これに対してスタートプレイヤーから順に、値段をつけていきます。



たとえば、スタートプレイヤーが3枚で入札したなら

次のプレイヤーは、パスするかそれより多いチップで入札します。

いったんパスしたプレイヤーは、そのラウンドは再入札できません。

一番高い値をつけたプレイヤーが落札します。


まぁ特に変わった部分は無く、ありきたりな方法の競りです。


さて、チップ3枚で競り落としたとしたら

そのチップは銀行に払うのではなく、落札者以外の全員に配ります。



余りが出た場合は、場に保留して次ラウンドの落札チップに加算して配ります。


落札したカードは自分の前に表向けて置いておきます。




次のラウンドは、2枚いっぺんに競りにかけられます。



1枚→2枚→3枚→1枚→2枚→3枚→1枚・・・

という感じで、ラウンドごとに競るカードの枚数が変化します。


カードを落札すると、次ラウンド以降ちょっとした入札制限があります。

というのは、落札したカードに書かれている数字と同じ枚数での入札ができなくなる。



つまり、4のカードを持っていれば4枚で入札ができない。


こんな感じで持っていれば



1、3、4枚に加えて、11、13、14枚での入札も不可

2桁以上の場合は1の位の数字が制限対象になる。


さらに、落札した枚数と同じ数字のカードを持っているプレイヤーがいれば
落札に使われたチップは、全部そのプレイヤーのものになる。


例えば、5枚で落札したとき




5のカードを持っているプレイヤーがいれば



チップは、このプレイヤーが総取りになる。


このときもし、複数のプレイヤーが5のカードを持っているときは
そのプレイヤー同士で分け合います。

ただし、同じ数字のカードを複数枚持っているプレイヤーがいる場合は
一番多く持っているプレイヤーが総取りします。


制限と同じく、落札チップが2桁の場合は1の位でチップを
受け取るプレイヤーを決めます。

例えば10枚で落札したなら、0のカードを持っているプレイヤーが
チップを受け取ります。



■ゲームの終了

全てのカードが落札されたらゲーム終了です。

得点の最も多いプレイヤーの勝ち。





Schacht, Michael
プレイ記



フォルテさん、メゾフォルテさん、たっくん(小)、JOSSさん、俺の5人プレイ



最初は青の6、これは2枚でメゾフォルテさんがさくっと落札


初めての3枚セット



たっくん(小)「4、いや間違えた5」

俺「7でいっとこうか」

JOSSさん「8」

メゾフォルテさん「ん~~、パス」

たっくん(小)「9」

俺「10です」

たっくん(小)「えーー、来るとは思わなかった」

フォルテさん「11」

たっくん(小)「12」

それはさすがにパスだな~


たっくん(小)が落札

たっくん(小)「あー、お金が尽きた。もうなんにもできない・・」


次は1枚 それも1か・・



たっくん(小)「1だから、1で(笑」

俺「2」

JOSSさん「俺、3って言えないんですよ」

JOSSさん「4って言うと、たっくん(小)の独り占めになっちゃうんですよね(笑」

たっくん(小)「4でいいよ^^」

たっくん(小)「13でもいいよ(笑」

俺はパス

メゾフォルテさん「6・・は言えないんだ」

フォルテさん「5」

JOSSさん「降ります」



まだ何も落札できていない俺。




2枚か、じゃあ5で

たっくん(小)「もう無理だ(入札できない)」

8まで値が上がったところで、、降りる。

カード2枚に9は出せないなー

フォルテさん「じゃあ、みんな2枚ずつ(分配)ですね」



さて、次の商品



灰色3まいキター!

JOSSさん「これは価値が高いですねー」

フォルテさん「ここで勝負だったんだなー・・・」

たっくん(小)「ほしい~~~、ほしい~~~」

よっしゃ、お金はたんまりあるぞ。


俺「じゃあ13で」

というわけで、お金にモノを言わせて俺が落札



たっくん(小)「やったー、これでお金持ち♪」←3のカードを2枚持っている

じゃあ、落札金は全部たっくん(小)へ。。



結局、こんな感じで落札



灰色のカード4枚がでかい、チップ2枚で1点なので

メゾフォルテさん「17点」

たっくん(小)「17」

俺「18!」

JOSSさん「え、そんないってるの?」

メゾフォルテさん「最後、チップいっぱいもらったのが大きかった」


1点差で勝ちました。



評価・・・

※評価の基準についてはこちら
隠れた名作競りゲーなんじゃない?
世間の評価はあんまり高くないみたいだけど、個人的には好きだよこれ。

コロレットより面白いと思う。コロレットも好きだけどさ(笑
でも単純に取るかめくるかだけのコロレットよりは、競りの要素が入った本作の方が面白味があると思う。


カード30枚とチップだけという超シンプルなコンポーネントで
手札も持たず、これだけ悩ませてくれるんだから恐れ入る。

30分弱という短いプレイ時間の中に優れたジレンマがたくさんある。

やっぱりシャハトのこういう素朴でシンプルかつシャープな切れ味は大好きだなぁ。

勝つためには、もちろんカードを競り落とさなければならないんだけれど
落札すればするほど、入札制限が効いてくるというジレンマ。

落札すればお金を払うことになるのだが、同時に以降のラウンドで収入が入ってくる
かもしれない、ちょっとした投資みたいな感覚がなんかイイ感じだ。



セットアップから片付けまで含めて煩わしく感じるものは全く無いのがまたなんとも。。

モダンアートに代表される、クニツィアの競りなんかとはちょっと一味違うんだよね。

もちろん、あちらはあちらで傑作なんだけど、なんというか同じ競りゲームなのに
ジャンルが違う感じがするのが不思議。

入札金額の制限の仕方がとてもユニークかつ斬新で面白いよね。
そしてそれが非常にうまく機能しているのがすごい。

「相場感が見えない」っていう評判を耳にするけど、そんなに簡単に
見えちゃう方がつまんないんじゃないの?競りゲーってそういうもんでしょ。
その時々で、相場が色々変わるから面白いんだと思う。

敢えて苦言を呈するなら、チップかな。
でかめに出来てるのはいいんだけど、表面はでこぼこしてない方が良かったかな。

しかし、このメーカーの割には無駄に箱がでかいこともなく
コンポーネントがきっちり収まるように出来ている。

それにしても、珍しいサイズの箱なんだよね~


■追記

セレンゲティという名前でリメイクされてるみたいです。
ちきさん、ありがとうございました。




■追記その2

ムガルをプレイしてからというもの、どうしてもこれは完成度に差があるなぁと
感じざるを得ないものがあって頭から離れない・・
もちろん、こちらも非常にユニークな競りシステムで、それが実際うまく機能している
という印象に変わりは無いのだけれど、しかしこれはどう考えてもあちらの方が面白い。

シャハトのデザインってどれもこれも地味な印象のするものが多いけれど
その中でもこのドンは非常に地味なシステムのように思った。

ユニークではあるんだけれどね。

でも明らかに、ムガルの方がいろんな意味でメリハリが効いてる。
ゲームのヤマ場、駆け引きのタイミング等々

それがそのまま良いジレンマに繋がっていると言ってもいいくらいだ。

しかしながら、ドンも十分に面白いと思う。
あくまで比較問題で、ムガル>ドンという気がしただけ。

なのだけれど、両者の評価に「差をつけたい」という思いが強くなったので

評価を1つ下げてBにします。もう少し言うとB+くらいかな。

2011/11/03


JohnnyBet



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