たっくんのボードゲーム日記

No.393
コンコルディア
Concordia
プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約120

ルール難易度 ルールの基本構造はシンプルに出来ているけれど、トータルで考えると難しめかな
日本語化 カードに言語依存があるけれど対照表があればシールは不要と思う

ボード全景、ヨーロッパ〜北アフリカが舞台です。



各地域(属州)ごとに色分けされてて、1つの属州には2〜3個の都市が描かれています。


ローマだけはちょっと特別な都市。

各都市は、5種類の製品を産出します。



タイルを裏返すとA〜Dまでのアルファベットが書かれているので、ボード上の都市のアルファベットと合うように置いていきます。



こんな感じになります。



全てのタイルを置いたら、表にします。



今回は、属州ヒスパニア(スペイン)の各都市では、道具とレンガとワインが産出されます。



都市が産出する製品コマもあります。



これは個人ボード、製品を保管しておく倉庫で12個まで保管することができます。


最初に、食料2つとそれ以外のリソースは1つずつ受け取って自分の倉庫に置きます。

建物コマ。1人15個ずつ持ちます。



都市に自分の建物を建てると、その都市から製品を獲得できるようになります。



建物コマは、自分の入植者コマか入植船コマに隣接する都市に建てることができます。


入植者は陸路、入植船は海路のみを移動することが出来ます。

しかし、建物を建てるには入植者or入植船が来ているだけではダメで
建設コストを支払わなければなりません。


レンガ都市なら食料1つと1金
織物都市なら織物1つと5金が必要です。

道具都市なら3金なので、材料とお金を払って建物を建てます。



既に他のプレイヤーが建物を建てている都市に、後から自分の建物を建てることもできますが
建設コストのうち、必要なお金が倍になります。


他のプレイヤーの建物が2つ建っているところに、3つ目の建物を建てようとすると3倍

それが織物の都市なら5×3=15金が必要になります。

レンガ都市なら3倍になっても、3金なので後半戦ならさほど痛くないことが多いのですが・・・

必要な材料の個数は変わりません。

入植者と入植船はゲームスタート時には1つずつローマに置かれます。


すべてのプレイヤーの入植者(入植船)はここからスタートします。

入植者と入植船は1人3つずつ持ちますが、残りの2つずつは自分の倉庫に置きます。


空きスペースが2つしかない・・・


得点パターンは色々あるのだけれど、基本的に建物をたくさん建てていると高得点につながります。


そして、建物と同じくらい重要なのが、これらのカードたち


なんでかっていうと、ざっくり言うと得点は

建物コマの数×カードの枚数 で決まるから。

ただ、対象となる建物コマがカードの種類によってちょっと異なっていて


たとえばこの、青い帯の「ユピテル神」の場合は

レンガ都市以外に建てた建物が対象。


建物1個につき1点で
青のプレイヤーなら、この場合5個建てています。
ユピテルのカードを2枚持っていたとすると。

5×2=10点になります。

こちらは「サトゥルヌス神」



自分の建物が少なくとも1つ以上建てられている属州の数が基礎点になります。


これなら3つなので3点
サトゥルヌスのカードを2枚持っていれば、3点×2枚=6点です



そしてこれらのカードは、手番で実行できる「アクションカード」でもあります。
実行できるアクションの名前がカード上部に書かれています。


まずは「建築家/ARCHITECT」

このカードをプレイすると

ボード上に置かれている入植者/入植船を移動させることができます。


移動できるステップ数=ボード上に置かれている入植者及び入植船の個数。

ゲームの最初は、ローマに1つずつ(合計2個)置かれているので、2ステップになります。

移動したら、入植者/入植船に隣接する都市にコストを支払って建物を建てることが出来ます。



ワイン都市なら、レンガ、ワイン、そして4金ですね。(まだ他に誰も建物を建てていない場合)



アクションカードは1回の手番で1枚だけ手札から選んでプレイできます。

こちらのアクションは「長官/PREFECT」で、プエルトリコで言うところの「監督」みたいなもんかな



属州を1つ選択して、そこに建っている自分の建物が建っている都市から製品を獲得します。


ただし、プエルトリコと違って、手番プレイヤー以外は製品を獲得できません。
※間違い 選んだ属州に建っている全ての建物から製品が産出され、その建物の持ち主が獲得します。
この場合、赤のプレイヤーは織物を1つ獲得します。
青のプレイヤーが長官のアクションカードをプレイして、属州イタリアを指定したとすると
イタリアに属するワイン都市からワインを1つ獲得できます。

さらに手番プレイヤーは、ボード左上の属州一覧から、選択した属州を選んでタイルをひっくり返します。


このときひっくり返したタイルに描かれていた製品もボーナスでもらえます。

そして、タイルがひっくり返された属州は、一時的に製品の生産が出来なくなります。

獲得した製品コマは



倉庫に保管します。


もちろん、倉庫の容量をオーバーした分は保管できません。


そんな感じで、リソースを払って都市を建て、建てた都市から生産でリソースを獲得していくのだが

あれ? 都市に建物を建てるにはお金が必要でしたよね。





というわけで、「商人/MERCATOR」



倉庫(個人ボード)の上部に、各製品の取引価格が書かれています。


ワインなら1つ6金で売れるので、2つなら12金。

売るだけでなく買うこともできます。

1回の商人アクションで2種類の賞品を売り買いできます。

個数じゃなくて種類数。

たとえば、ワインを2つ売って、レンガを3つ買うとか

もちろん、2種類両方で買ってもいいし、売ってもいい。




使ったカードは、自分の前にオープンにして山積みにしていくのだが

この「護民官/TRIBUNE」をプレイすると、使ったカードを手札に戻すことができる。


このとき、手札に戻すカードの枚数に比例してお金がもらえます。
チョコチョコ戻すよりも一度にどさっと戻した方がたくさんの収入になる。




さらに、食料と道具を支払うことでローマに新しく入植者もしくは入植船を1つ配置することができます。


「護民官/TRIBUNE」をプレイするにも1手番使ってしまうので、タイミングが難しいのだけれど
新しい入植者コマを配置できれば、建築家をプレイしたとき移動できるステップ数も増えていきます。


ということで、カードはリソースを払って仕入れることができます。
それがこの「元老院議員/SENATOR」



ボード右上に並べられた7枚のカードの中から2枚まで買うことが出来る。



基本コストは、カードの下部に書かれた赤い帯に描かれているリソース。



このカードは食料1つと交換で入手できます。



しかし、右の方に並べられたカードを獲得するには追加コストが必要になります。


?は何でも良いからリソース1つという意味。

もっと右の方に並べられたカードは追加コストとして高価な織物を支払う必要があります。


しかも2つとか

リソースを払ってカードを獲得したら



残ったカードは左に詰めていきます


で、空いているところは山札からめくって埋めます

こちらは「外交官/DIPLOMAT)


他のプレイヤー1人を選んで、そのプレイヤーが最後にプレイしたカードをコピーして利用することができます。

カードの枚数が増えれば、効率的にカードをプレイできるようになる、かもしれませんね。



ちなみに、初期手札として配られるカードと購入したカードではカードのバックの色が異なっています。



購入することでしか手に入らないカードもあります。


たとえば「執政官/CONSUL」のカードは、元老院議員と同じように場からカードを獲得できる効果がありますが

獲得できるカードは1枚だけ。

ただし、追加コストを払う必要がありません。


これなら、ワイン1つで購入することができます。

属州に関係なく、特定の製品を産出する自分の建物が建っているすべての都市から製品を獲得できるカードとかもあります。



誰かが15個の建物を全部建てるか、カードが売り切れたらゲーム終了。


ボードの裏面はイタリアマップで、こちらは2〜4人用になってます






Gerdts, Mac
プレイ記
4人プレイ



KGさん「最初は何するのがいいんかな?」

イズナさん「まあ、建築家か商人も悪く無いんじゃないですかね?」

KGさん「いきなり護民官は?」

イズナさん「それは無いんじゃないですか?w」



1番手のKDさんの選択は


建築家

ふーむ陸路で来たか



俺は赤。激戦地になりそうなイタリアは避けて、出来るだけ遠くへ向かおう。


辿り着いたのはスペイン(ヒスパニア)

ワイン都市は高いんだけれど、あとあと有効に使えるとみて先行投資

建設費用は、ワインとレンガと4金


うーむ、やっぱりちょっと高すぎる買い物だったか?

皆が2つ目の建物を建てる中


いち早くカードに目をつける。

今後のことを考えると、建築家のカードはもう1枚くらい欲しいところ。


あと、建物の建設にほとんど必須となるレンガ。
コイツはガンガン生産できるようにしておきたい。



都市の開拓争いでは、一歩遅れを取ることになるけれどこれは仕方ない。

KDさん「フランス決算で」


KDさん「レンガと食料と・・」

んーーー



俺は1手遅れで、ヒスパニアに2つ目の建物を建設
よし、生産するぞ!

他の人も自分の「領地」で次々と決算。



途中、KGさんが決算(長官による生産)で、お金を選択してくれたので

間髪入れずに2回目のヒスパニア決算



その結果


葡萄酒じゃ葡萄酒!わはははは

残った手札。みんなそろそろ護民官で使ったカードの回収に行くのだが

KGさん「あれ、たっくんなんでまだ4枚も持ってんの?」


「最初の方で2枚買ったからですよ」

KG「あ、そうか、それでか」

イズナさん「護民官」


イズナさん「道具と食料払って、ローマに船置きます」


あ、そうか、護民官ってカード回収してお金もらうだけじゃなかったんだよな。

ちょっと失敗したかな、食料はあるけど道具持ってないや



まあいいや、当面の入植者と入植船は1個ずつで十分とみて建物建設用の資材重視でいく。


ワインを大量に売却して得たお金でレンガを買う。

もちろん、お金もばっちり残しておく。


いくぜ建築家!



そろそろ他のプレイヤーが支配する属州に割って入って、製品の生産争いが勃発する。



というわけで早速w



イタリアの織物都市と、ボーナスで織物2つゲット


KGさん「あーー」


ガンガン布を生産!



織物4つも売り払ったら、お金的にはもうやりたい放題



そろそろ、道具を仕入れて護民官をプレイしたとき入植者を置けるように考慮しとく






スペインを制圧したので、そのまま北上して未開の地であるイングランドを目指す。


あそこにも美味しい葡萄酒があるんだよな♪

入植者を4つ置いているイズナさん。


イズナさん「えーと、4つ動きます」

イングランドに向かう途中でフランスも浸食しつつ


決算カード(長官)は3枚体制w



お金とリソースの回り方がどんどん良くなるにつれて、建物も加速度的に建設が進む。



ここまで、西ヨーロッパ中心に開拓してきたのだけれど
建物を建ててる属州の数で基礎点が決まるあのカードを意識して東側にも建物を急ピッチで建設。



ワイン都市の個数で得点がもらえるカードもあるので、そのへんも意識しつつ



KDさんが一歩先に建物を建て切ってゲーム終了



結果は、、見事勝利!


KGさん「やっぱなー、建物たくさん建てないとダメだな」



評価・・・

※評価の基準についてはこちら
いやー、、これは渾身の一作。とても面白い!
ロンデルじゃないマックゲルツということでちょっとした注目作になっているけれど
発想の根幹にあるものはやっぱりロンデルですね。

とは言ってもナビゲーター(ナヴェガドール)とは、ひと味もふた味も違うプレイ感に仕上がっているし完成度もとても高い。
ナビゲーター(ナヴェガドール)を上回ってると言っても過言じゃないくらい。

ざっくりどんなゲームかと言われると

ナビゲーター(ナヴェガドール) + プエルトリコ - バリアブルフェイズ + ドミニオンライクなデッキ構築を少々

と言ったところかな。

ドミニオンの呪いみたいな明らかなジャマカードみたいなものは無いけれど。

ナビゲーター(ナヴェガドール)と同じく、直接攻撃的に他のプレイヤーを叩くような要素は希薄で
ともすると、ソロプレイっぽさが際立っちゃうと失敗作になっちゃうかなと思ってたんだけれど杞憂だったみたいです。

とりあえず面白いなと思ったのは外交官によるコピーの使い方。
価値の高いカードを他のプレイヤーが購入&プレイしたら、それを外交官でうまく利用させてもらうというのが面白い。

どのくらいうまく利用できたかどうかが他のプレイヤーとの差につながっていく。

心理戦というか、他のプレイヤーの行動による影響度合いみたいなのはそれほど強くはないと思うのだけれど
ジワリジワリくらいの感じで効いてくる上に、カードを中心とした要素同士のカラミ方がハンパじゃないので
単調なソロプレイゲームというような感じはほとんどしない。

これホント見事ですね。
少なくとも現時点での、リソースマネジメント系の最高峰ではないだろうか?

欠点としては、ちょっと時間がかかり過ぎかな?
ルールブックには90分と書いてあるけれど、初回プレイなら2〜3時間くらいみておいた方がいいかもしれない。

それとナビゲーター(ナヴェガドール)に比べて、現在の自分の得点状況がちょっと把握しづらいのは気になった。
自分の得点が良く分かんないくらいだから、他のプレイヤーがどうかなんてまったく不明。

で、それがなんでなのかといえば、かけ算する要素の片方が手札の中のカードという非公開情報になってるから。
まあ、厳密に言えばちゃんと見てれば覚えておけるんだけれど。

ナビゲーター(ナヴェガドール)の場合は、これが個人ボード上にいつでもだれでも見える状態に公開されていたので
その辺の不自由さはほとんどなかった。

でもその代わり、1枚のカードが「実行可能なアクション」という部分と「得点の掛け算要素」という2つの要素を合わせもつので、こういう面白さが生まれていることは間違いない。

難しいところですね、、もう少しその辺りが分かりやすくなってると尚良かったんだけど。

言語依存に関しては、対照表があれば問題ないと思う。
英語表記のカードも同梱されているし、種類も少ないので頑張ってシール貼ったりテキストを覚えたりする必要は無いかな。

これね、2回、3回と繰り返し遊びたくなるよ。
プエルトリコみたいな感じの中毒性がある。

カードは同じカードを使い回せるけど、そのためには護民官カードをプレイして「1手番消費しなければならない」というのも面白い。
他にこういうデッキ構築システムがあるゲームってあったっけ?
そこだけでもドミニオンとは違った感じの素晴らしさがあるように思ったのだけれど。

素晴らしい!

2013/12/24




■追記

ある程度慣れてる人とやっても5人プレイとなると軽く2時間超えて来ますね。
複雑で重たいゲーマーズゲームというのは間違いないと思うんだけれど、骨格はすごくシンプルにできてるので遊びにくくは無いと思う。
そういうところはイスタンブールと共通してるのかもしれないなぁ。ゲーム大賞の審査員もそのへんを重要視してるのかも。

そして、昨日も話題になったのは「見通しの悪さ」

今誰がトップなのか、もう誰にも分からない。本人にさえ。
現在の得点状況がさっぱり分からないから、何が最善手なのかまったく分からないというのは良く分かるし、実際自分もそう思う。

たとえば、「家を全部建て切ったら勝ち」とかそういうルールでやったらどうなるのかというのは気になるところ。
そのへんはイスタンブールとは相対する感じですね。

ただ、これに関してはこれで良いのかなぁ、と思えてきた。
ハッキリとは分からないけれど、盤面上でたくさん家を建ててる人はたぶん高得点になるだろうなとか
得点計算の要素の片割れは見えてるので、なんとなく想像するくらいは十分できる。

で、正確なところはフタを開けてみるまでのお楽しみって感じで。

それに、神様の恩恵なんてそのくらいの曖昧さがあった方が、なんかそれらしいかなと。


それよりも、ちょっと気になったのは家コマの数をもうちょっと調整した方がいいかなと
終盤戦がちょっと間延びした感じがあったので、もう少しピシャリと終わって欲しいと思った。
1人15個っていうのは多過ぎるかな。。

細かいバランス調整は入れた方が良さそうだけど、エキスパート大賞はやっぱりこれで良いんじゃないかな〜

実際どうなるかは分からんけれど

2014/07/13


JohnnyBet



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