たっくんのボードゲーム日記

No.636
ミスタージャック
Mr.Jack

プレイ人数:2
プレイ時間:約30

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要


コンポーネント全景、2人専用ゲームです。
片方がジャック(切り裂きジャック)で、もう一方が探偵となりジャックは探偵から逃げ切る、探偵はジャックを捕まえることができたら勝ちです。



登場人物は8人。この中にジャックが紛れ込んでいます。



ジャックのプレイヤーはカード(アリバイカード)を1枚引きます。引いたキャラクターが今回のジャック(ジャックが変装している)です。



初期配置、キャラクター以外にもタイルをいくつか置きますが詳細は後述。



探偵はジャックだと思うキャラクターの居るマスに他のキャラクターを移動させることで勝ち(逮捕)です。
但し、もし間違っていたら誤認逮捕ということでジャックの勝ちになります。



ジャックは捕まる前にボード4隅にある出口を使って街を脱出できたら勝ちです。
但し、4つのうち2ヶ所はバリケードで封鎖されています。



あるいは、8ラウンド(最終ラウンド)が経過しても捕まらなければジャックの逃げ切り勝ちです。



ところで、ジャックプレイヤーはこういうカードを自分の前に置いておきます。
これはジャックが「目撃されている」ことを著します。



裏返すとこうなってて、こちらは「目撃されていない」ことを表します。



ゲームのスタート時は、「目撃されている」方の面を上にしておきます。
そして、 街から脱出するには「目撃されていない」状態であることが必要 です。

「目撃されている」というのは、点灯している街灯に隣接するマスに居ることを指します。



ということで、この緑の人は「目撃されていない」状態です。



他のキャラクターと隣接している時も「目撃されている」状態となります。


この場合、2キャラクターとも目撃されている状態です。

あと、もう1つ、茶色いキャラクター(ワトソン)が持っているカンテラに照らされているキャラクターも「目撃されている」状態です。
カンテラは描かれている矢印の方向に直線的に照らします。



例えば、これだと緑のキャラクターはワトソンのカンテラに照らされて「目撃されている状態」です。



ただ、カンテラの光は濃いグレーのマス(建物や消えた街灯)で止まります。
※ワトソンのカンテラでワトソン自身が照らされることはありません。



ということでジャックは脱出するために目撃されていない状態にしなければならないのですが、1人だけ目撃されていないみたいな状態になったらジャックの正体がいっぺんでバレてしまうことになります。

さて、もう1セット、キャラクターカードがあります。
これらのカードには、各キャラクターごとの移動可能な歩数や能力を表すアイコンが描かれています。



移動可能な歩数は大体1〜3マスですが、緑のおばちゃんだけは4マスまで移動できます。



シャッフルして、4枚オープンにして並べます。
手番ではこの中からキャラクターを選んで移動させたり能力を使ったりします。



手番順はラウンドチャートに描かれています。(黄色が探偵、銀色がジャックを表します)
ということで、1ラウンド目は探偵→ジャック→ジャック→探偵、の順でカードを選びます。



ちなみに、2ラウンド目は残った4枚をオープンにします。



さて、例えばこれ(シャーロックホームズ)を選んでみる。



移動可能な歩数は3までで、薄いグレーのマス(マンホールを含む)のみ通ることができます。



ジャックを捕まえる場合は、こんな感じでジャックの居るマスに移動させます。(捕まえるのは別にホームズだけじゃなくて、どのキャラクターでも良い)



移動にはマンホールを使うこともできます。(マンホールから別のマンホールへ1歩で移動できます)



但し、蓋がされているマンホールは使えません。※塞がれているマンホールは普通の道路(薄いグレーのマス)と同じ。


※他のキャラクターの居るマスを通過することはできる(逮捕する時以外は同じマスに居ることはできない)

さて、移動した後、ホームズは特殊能力を使うことができる。
※アイコンの右側に矢印が付いているのが、移動した後に能力を使うことを表す。
※移動と能力の使用は基本的に強制で、やらない、ということはできない。



ホームズの能力は残ったアリバイカードの山の上から1枚引いてこっそり見ること。



ここで引いたキャラクターは当然、ジャックではないということになる。



使ったキャラクターカードは伏せておきます。



1ラウンド目の手番は探偵→ジャック→ジャック→探偵、なので、この後ジャックが2手番連続で行います。
例えば、まず青い人(レストレード警部)を選んでみる。
能力アイコンを見ると左右に矢印が付いていて、これは能力を使うタイミングを移動前か移動後か選べることを表します。



歩数はホームズと同じく3マスまで。



能力は、バリケードの位置移動。バリケードを1つ選んで、移動させることができる。これも能力を使うこと自体は強制で必ず移動させなければならない。



次にこの紫の人(ウィリアム・ガル卿)を選んでみる。



この人だけは、移動させるか能力を使うかどちらか1つを選ぶ。(移動や能力の使用が強制ではない)
能力は、紫のコマと別の任意のキャラクターコマの位置を入れ替えること。



探偵は最後に残った黒い人(グッドレイ巡査部長)を選びます。
この人の能力は移動する前か後かどちらでも選べます。(能力アイコンの両側に矢印が付いているのがそれを表します)



例えば、能力を使う前に移動してみる。



能力は、他のキャラクターを合計3マス分、黒い人に近づけること。
3キャラクターを1マスずつ近づけても良いし、1キャラクターを3マス近づけてもいい。

例えばこの2キャラクターを選んで



黄色を2マス、オレンジを1マス近づけてみるとこうなる。


但し、この近づける時の移動でマンホールは使えない。

1ラウンド終わった時の状態。



この後、ジャックが目撃されているか、されていないかをジャックプレイヤーは申告します。

ジャックが変装してるのは緑のおばちゃんで(もちろん、ゲーム中は探偵にカードを見せたりはしません)、他のキャラクターと隣接してるので「目撃されている」状態。



ということで、目撃されている面を上にしておきます。



逆に目撃されていない、茶色(ワトソン)と黄色い人(ジョン・スミス)はジャックではないことが確定。





容疑が晴れたキャラクターは裏返して置きます。





その後、1ラウンド終了時に、1番の街灯が消えます。



これですね、1番の点灯している街灯タイルを取り除きます。





2ラウンド目の手番順は、ジャック→探偵→探偵→ジャックです。
場には、1ラウンド目で出てこなかった4人のキャラクターが並びます。



まず、この緑のおばちゃん(ステルシー女史)


このキャラクターだけは4マスまで移動できる上、能力は移動中に使います。
その能力は、障害物のマスを通過できること(移動後、止まるのは薄いグレーのマスでなければならない)

ということで、歩数的には脱出可能・・・



ただ、今は「目撃されている」状態なので、脱出はできない。



次、黄色い人(ジョン・スミス)。
この人の能力アイコンには左右に矢印が付いているので、移動前、移動後、どちらで能力を使うか選べる。



能力は点灯している街灯タイルを1つ、消えている街灯マスに移動させること。



オレンジの人(ジェレミー・バート)の能力も、移動前、移動後を選べる。
能力はマンホールの蓋を移動させることができること。





ワトソンの能力は移動後。
カンテラで照らす向きを決めることができる。





第2ラウンド終了時。ジャックが化けている緑のステルシー女史は目撃されている状態。
ということで、目撃されていると申告します。


となると、目撃されていないオレンジのジェレミー・バートは疑いが晴れますね。

第2ラウンド終了時には、2番の街灯が消えます。



街灯が消えるのは4ラウンド終了時までで、5ラウンド目以降は街灯は消えません。





Cathala, Bruno
Maublanc, Ludovic
プレイ記

みっちー(探偵)vs 相棒(ジャック)



みっちー「とりあえず、ホームズが良いかな」



相棒「うーん」


相棒「これと」


相棒「これかな」



現時点で、目撃されている人が、緑、赤、黄色の3人、残りは目撃されてない状態。
このままの状態でラウンド終了しても、最低でも3人は容疑が晴れるが・・



みっちーの選んだ手は、ピンクおじさんと茶色おじさんの急接近。



1ラウンド目終了。

相棒「見えてまーす」


ということは、青、緑、黒の容疑が晴れると

第2ラウンド

相棒「黒いおじさん」


赤、茶、黄が一歩ずつ引き寄せられる。

なんか、バラバラにしたい感じなのかなー

みっちー「緑」


相棒「それなら別に家を横切らなくても、道路だけで行けるよ」
みっちー「家の中を通ってみたかっただけ」

みっちー「もう1人は、やっぱワトソンかなぁ」



相棒「まあ、そうだよね、じゃあ街灯移動して終わり」

第3ラウンド



なぜか、バリケードの前に移動させられる女史



そして、またも黒を選ぶ相棒。



ワトソンが3歩、近寄ってきた。



相棒「紫の人で入れ替え」



みっちー「じゃあ、オレンジ動かして終わり」

こうなった



相棒「見えてません」



4ラウンド目

相棒「ワトソン」



相棒「うん?、あ、足りない・・あ、」



相棒「だめだ、あ、やっぱここはホームズにしといたほうがいいかな」
相棒「でも黄色い人にするのもアリだよね」

急に饒舌になる相棒。

みっちー「あー、それもアリだよね」

話に乗ってくるみっちー

相棒「街灯移動して、、ここかな?」



みっちー「ホームズかな」



またしてもなぜかバリケードの前に移動させられるホームズ

みっちー「で、ワトソン」





相棒「見えてます・・」


まあ、そうだろうね。

容疑者は残り2名。



みっちー「ワトソン」





遠くに追いやられる黄色い人



そして、ホームズも





脱出口のうち左上と右下はバリケード、左下と右上近くのマンホールは蓋がされている状態。これをどうにかしないとジャックの脱出は難しいか?



相棒が選んだのは蓋移動できる人。



相棒「これ移動」



みっちー「はい(逮捕)」



みっちー「最初のホームズで、黄色引いたんだよね」

相棒「途中で、(ジャックの正体)ゲロっちゃった」

あー、あんときね

あのときもう逮捕に踏み込んじゃってもよかったんじゃない?

みっちー「いや、でも100%確実じゃなかったから」



評価・・・

※評価の基準についてはこちら

かなりじっくり考える感じのゲームで、プレイ感としてはアブストラクトに近いかな。
ジャック側は1手のミスが命取りになるので、確かによく言われているように探偵側よりも不利なのかもしれない。

でもそれ以外はかなり良くできてると思う。古いゲームなんだけど、ブラフ要素あり、理詰め要素あり、難しめのゲームではあるけれどその分、十分な奥深さがある。
ヴェローナツイスト と同じく最初の2ラウンドで3人くらいはどうしても無実のキャラクターがバレちゃうんだけど、残り3人くらいになっても粘ることは可能だし、ジャック側の勝機もそこまで薄くは無いかな。
スコットランドヤード の2人プレイが面白かったらこれもオススメできますね。発売から時間が経ってしまってるのでちょっと入手難だけど。

奇数ラウンドでは、次のラウンドで並ぶキャラクターカードが分かるので、最大4手番先くらいまで読むことが可能。
しかも1手番は駒を動かして能力使ってと、結構変化が複雑。そこにブラフ要素も入ってくるので考えることが多い。

プレイヤーによるけど長考になりがちなゲームなので、まあ、好き嫌いが分かれそうなタイプではある。

他の近いプレイ感のゲームで言うと クランス とかかなぁ。
正体隠匿要素的な部分がありつつ理詰めが通用する部分もあって、その2つの要素のバランスはまあまあ良い感じがする。
このゲーム、随分昔に遊んだ時は、そういうところがうまく感じ取れなかった気がするな。
今改めて遊び直してみて、あーやっぱり良いゲームだったんだなって。

アブストラクトゲームが当時より好みになってるっていう自分自身の変化が影響している部分もありそうではあるが。

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特殊能力とか、カードに書かれたテキストとか、そういうのってあまり好みじゃないんだけど、これくらいなら許容範囲内かな。
8種類しかないし、内容も単純だし。あと、手札に持つんじゃなくて公開情報っていうのも大きい。

ドミニオン があれだけ言語依存があっても比較的遊びやすいのはその辺に理由があると思ってる。

テキストカードが大量にあるとは言っても、1度のゲームで出てくるのは数種類だけだし、カードによるけど比較的効果も単純。
しかも場に全部公開されてるから、別途サマリとか無くてもゲーム中、気軽にどんなカードなのか聞きなおすようなこともやりやすい。

要するに、1枚のカードに情報を詰め込みすぎないのが大事(分かりやすさ、把握しやすさという点で)ってことかな。

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これ、今、新作として出てきたとしてもそんなに違和感は無いような気がする。(と言うほど古くも無いんだけど)
そのうちテーマ変えてリメイクされたりしないかな?


JohnnyBet



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