たっくんのボードゲーム日記

No.529
君主論
Il Principe
プレイ人数:2 - 5
プレイ時間:約90

ルール難易度 やや難しめ
日本語化 役割タイルや地名は日本語化した方が良いかも

小さめのボードです、舞台はイタリア北部。


ざっくり言うと、競りと陣取りのゲームです。

これはスタートプレイヤーマーカー(アーニョロ・ドーニ)、ラウンドごとに順番に回っていくのではなく競りに勝った人がもらいます。



都市カード、左上に書かれている数字が勝利点。
建設にはお金と建物カードが必要です。


勝利点は4、6、8の3種類で大きな都市ほど点数は高いですが、コストもやはり高い。

都市カードを建設するには、カードに書かれたお金と建物カードが必要です。



フィレンツェの都市カードなら、5ドゥカート(お金)と建物カードが青1枚、緑2枚、黄色1枚、赤1枚必要です。



都市カードの右上には、もう1つ数字が書かれています。
これは、その都市に隣接するエリアに置ける「盾マーカー」の数を表しています。


フィレンツェは3つのエリアに隣接しているので、この中から好きな配分で盾マーカーを2つ置けます。

ゲーム終了時に、エリアごとに置かれた盾マーカーの数に応じて勝利点がもらえます。
トップ(タイも含む)なら5点、2位は2点もらえます。ただし、トップが複数の場合は2位の点数は無し。


要するに都市カードを建設すると、勝利点がもらえて、さらに配置した盾マーカーも勝利点につながるという強力な得点獲得手段です。


都市カードだけではなく、もう1つ大きな得点源になり得る要素があります。

それが役割タイル。5色あって、建物カードの色と対応しています。
それぞれ、大きいタイルと小さいタイルがあります。


タイルごとに獲得時にちょっとした特典があるのですが、とりあえずそれはさておき、、

自分以外の誰かが都市カードを建設した時に使った建物カードと同じ色の役割タイルを持っていると点数がもらえます。


例えば、他のプレイヤーがさっきのフィレンツェの都市カード(必要なコストの中に緑と赤の建物カードが含まれている)を建設したとすると、
緑の大きいタイルと赤の小さいタイルを持っていれば点数がもらえます。


大きいタイルは2点、小さいタイルは1点です。
上記の場合なら、合計3点もらえます。

ただし自分が都市カードを建設した場合は、役割タイルによる点数はもらえません。

でも、、都市カードの建設することは役割タイルの獲得につながっていきます。

どういうことかというと


都市カードを建設した時、支払ったお金は共通のストック(銀行)に戻しますが、建物カードはオープンにして色ごとに分けて自分の前に置きます。


自分の前に置かれている建物カードの枚数がトップ(色ごとに)のプレイヤーが、その建物カードと同じ色の大きい役割タイルをもらえます。
2位のプレイヤーが小さい役割タイルをもらいます。
※複数のプレイヤーが同数の場合は後述

しかし都市カードを建設して建物カードを自分の前に置くにはお金も必要、そんなお金は無い・・・という場合は、手持ちの建物カードを自分の前に置くだけという選択肢もあります。
ただし、この時出せる建物カードは1色だけ。※1色なら複数枚出すこともできます。


もちろん、この場合は盾マーカーを置いたり勝利点をもらったりすることはできません。


こんな感じで黄色の建物カードについて、置いている枚数がトップになれれば、黄色の大きな役割タイルをもらえます。



大きい役割タイルを獲得した場合は、置いている同じ色の建物カードの半数(端数切り上げ)を裏返さなければなりません。
裏返された都市カードは次のラウンドで役割タイルの獲得に使用できません。


2位で獲得できる小さい役割タイルの場合は、裏返す必要はありません。

役割タイルを獲得するとすぐに特殊効果を得られます。
例えば緑の役割タイルを持っていれば、裏返された都市カードを1枚、表に戻すことができます。


ただし、緑の都市カードを表に戻すことはできません。





この特殊効果については、タイルの大小に関わらず同じ内容になっています。
青のタイルの効果で置ける盾マーカーは、好きなエリアを選ぶことができます。



さてゲーム全体の流れですが


まず初期セットアップ。都市カードと建物カードはそれぞれ良くシャッフルして、別々の山にします。
都市カードを4枚、場にオープンにします。


各プレイヤーは盾マーカーを12個ずつと得点チャート用のトークンを1つ受け取り、ボード上得点トラックの0のマスに置きます。

それと初期資金として5ドゥカートずつ受け取ります。 ※これは後から追加されたルールのようです。


1ラウンドは、大まかに4フェーズで構成されています。

フェーズ1:収入(建物カードとお金)
フェーズ2:建物カードのオークション+都市カードの建設
フェーズ3:都市カードの建設 or 建物カードのプレイ
フェーズ4:役割タイルの再分配



■フェーズ1 収入

ラウンドの最初に各プレイヤーは、建物カード4枚と5ドゥカートを受け取ります。
つまり、最初のラウンドは初期資金と合わせて10ドゥカートずつ持った状態で始まります。




■フェーズ2 オークション

手札から建物カードを2枚選んで伏せて出します。



全員出したら、一斉にオープン。



出された建物カードを色ごとにグルーピングします。
カードグループ単位で競りを行い、落札したプレイヤーがその色のカードを全て獲得します。


競りの順番は、枚数が少ない色からです。

枚数が同数の色がある場合は、緑→白→赤→青→黄の順に行います。


前述の例だと、緑と黄色が同数だったので緑が先になります。

1.赤の建物カード2枚
2.緑の建物カード3枚
3.黄の建物カード3枚

まずは赤の建物カード2枚に対して競りを行い、次に緑3枚、最後に黄色3枚という感じで競りをします。




スタートプレイヤーマーカーを持っているプレイヤーの左隣のプレイヤーから順に値段をつけていきます。
パスすることもできますが、その場合はその色のカードグループに対して再入札することができなくなります。

1人を除いて全員がパスするまで続けます。

競りに勝ったプレイヤーは

1.カードに書かれたお金を銀行に払う
2.競りの対象になっている建物カードを全て獲得して手札に入れる
3.スタートプレイヤーマーカーを獲得
4.望むなら、必要なコストを払って都市カードを1枚建設
   →ただし、最初のラウンドは都市の建設はできません。

都市の建設が行われた場合は、すぐに山札から1枚オープンにして常に4枚がオープンになるようにします。

これをカードグループの数だけ繰り返します。


■フェーズ3 都市カードの建設 or 建物カードのプレイ

スタートプレイヤーから順に、都市カードの建設か建物カードを自分の前に出すか、どちらか1つ行います。
 ただし、最初のラウンドは都市の建設はできません。

■フェーズ4 役割タイルの再分配

まず全ての役割タイルを、全体のストックに戻します。

各プレイヤーの前に置かれている建物カードをカードの色ごとに枚数比較します。
もっとも多いプレイヤーが大きい役割タイル、2位のプレイヤーが小さい役割タイルをもらいます。

役割タイルの獲得処理は、オークションの時と同じく緑→白→赤→青→黄の順に行います。

置かれているカード枚数が同数の場合は、フェーズ2と同じようにしてオークションを行います。
※オークションに参加するのは、カード枚数が同数のプレイヤーのみ。
オークションの勝者は、スタートプレイヤーマーカーも獲得します。

大きい役割タイルに対するオークションが行われた場合は、同じ色の小さい役割タイルは誰も獲得しません。
タイル獲得時の特殊効果については、大きい役割タイルから得ていきます。


■ゲームの終了

フェーズ1の最初で、建設されていない都市カードが残り3枚以下の時。(4枚の都市カードがオープンにできない時)
 →すぐにゲーム終了

フェーズ1の最初で、山札の建物カードが一定枚数以下の時は、「手札から2枚伏せて出して一斉にオープン」の部分が変更になります。

3人プレイ:建物カードの山札が11枚以下(12枚未満)の時→山札から6枚オープンにする。
4人プレイ:建物カードの山札が15枚以下(16枚未満)の時→山札から8枚オープンにする。
5人プレイ:建物カードの山札が19枚以下(20枚未満)の時→山札から10枚オープンにする。

いずれの場合も、必要な枚数のカードが山札に残っていない場合はすぐにゲーム終了します。

■得点計算

次の点数を得点トラック上で加点します。

ボード上のエリアごとに盾マーカー最多(タイも含む)で5点、2位(タイも含む)で2点。
ただし最多が複数の場合は2位の点数は無し。

・大きい役割タイル1枚につき2点
・小さい役割タイル1枚につき1点
・伏せてあるかどうかに関わらず、自分の前に置かれている建物カード5色1セットで2点
・手持ちのお金最多(タイも含む)で2点
・手札の建物カード最多(タイも含む)で2点





Emanuele, Ornella

評価・・・

※評価の基準についてはこちら
アメンラーみたいな感じがする。すごく難しいけど、じわじわ面白い。
競り落としたモノがどのくらいの勝利点に結びつくのか?最初はホントにさっぱり分からない。
終盤に差し掛かってようやく、「もしかしたらこのくらいかな?」程度のものが見え始める。

うまい値付けをして落札したらそれでOKというのじゃなくて、落札したものをどううまく使うのかというところまでしっかり考えなければならない。

このへんの感覚が似てると思った。

あと、アメンラーより本作のルールやコンポーネントの方がシンプルにまとまってる感じがあるかな。
その分、こちらの方が好みではあるような気がする。どちらも1回しかやってないので複数回プレイしたら変わるかもしれないけど。

まあ、どちらも何回か遊ばないと見えてこないものがたくさんありそうな、難解な奥深いゲームであることは間違いないと思う。


勝利点の稼ぎ方として都市カードの建設でいくのか、役割タイルの獲得をメインにするのか、大きく2つの方法があるのというのは分かりやすい。
しかし、単純に2つに分かれてる訳ではなく、都市カードを獲得すれば役割タイルの獲得にも近づくし役割タイルの獲得が都市の建設にもつながってる。
この関連の仕方を見ていると途端に難しくなる。同時に「じゃあ、どうすればいいのか?」を考える面白さがある。

密接に繋がっているので、ゲーム全体を通じてどちらかに偏るようなものでもなく状況に応じて使い分けていかなければならない。

最終的にはエリアマジョリティでも勝たなければならないし、本当に難しい。
とはいえ都市カードは獲得するだけでも大変なので、なかなか選べないけれど・・・
そうすると、青の役割タイルの効果がかなり魅力的に見えてくる、とか。
お金や都市カードも大事だし、青以外の役割タイルの特殊効果もどれも強力ですけどね。


お金は常にカツカツ。
余裕など一切ない状態が1時間半くらい続くので、ちょっと疲弊するかもだけどとても濃密な時間。
やってて、あ、もう終わりなのか、と思ってしまったくらい。

プレイ人数は、4〜5人くらいが良いかな?
とりあえず5人は悪くなかった。

2017/01/16


JohnnyBet



レビュー一覧へ


たっくんのボードゲーム日記