たっくんのボードゲーム日記

No.256
ワルモノ2
Warumono 2
プレイ人数:3 - 4
プレイ時間:約15

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要(日本語版です)



プレイヤー達はマフィアの構成員になります。

組織から盗み出した大金を持ち逃げして、外国へ高飛びすることが目的です。

しかし、本物の現金が入ったトランク(コンテンツカードは)・・




1つだけ。他のトランクには、偽札が入っています。


しかも偽札のトランクには、組織によって仕込まれた「発信機」がついていて
持っていると追っ手から追跡されてしまいます。





さらに、マフィアの中に「潜入捜査官」が紛れ込んでいるという情報もあり
現金を持っていると、逮捕されてしまうかもしれません。


プレイヤーは1枚ずつ、「キャスティングカード」を受け取ります




青いカードを引いたプレイヤーはマフィアになりますが




この赤いカードを引いたプレイヤーは、マフィアを捕まえる捜査官になります



プレイ人数は3~4人なので、捜査官は居るかもしれないし
居ないかもしれません。


★マフィアプレイヤーの勝利条件★
本物の現金が入ったトランクを手に入れて、外国へ脱出する


★潜入捜査官プレイヤーの勝利条件★
本物の現金を持っているマフィアを逮捕する



さて、ボード全景


プレイヤーは全員、左上のアジトからスタートします。

手番では基本的にサイコロを振って出た目の数だけ自分のコマを進めます。




手順としては、まず
①偽造屋を訪れて、パスポートを入手します


次に②手配師のところに行って、チケット(船or飛行機)を手に入れます。

で、空港か港から脱出するという感じ。


偽造屋でパスポートをもらい




手配師のところでチケットをもらう


ただし、チケットを手に入れるためにはパスポートを入手している必要があり
チケットは1人1枚しか持つことができない。


そして、港にも空港にもゲートがあり、サイコロの目に関わらず
ここで必ず一旦ストップしなければならない。


そして、次のターンにチケットを使用してゲートを通過できます。


コンテンツカード(トランク)とキャスティングカード(マフィアor捜査官)は
最初に1人1枚ずつ配られるのだが


ゲーム中、コンテンツカードは自由に見ることができない

手番にできることは
1.サイコロを振ってコマを進める
2.自分のコンテンツカードを確認する

基本的にこの2つ。

コンテンツカードを確認するためには、手番を消費する必要があるのだ。


サイコロを振ることにした場合は、通ってきたルート上のマスに
他のプレイヤーのコマがあれば


そのうちの1人とコンテンツカードを交換できる。

もちろん、このときカードの中身を確認することはできない。


潜入捜査官の場合は、本物の現金を持っているマフィアを確信したら


そのマフィアのコマが居る場所に行って、身分を明かします(キャスティングカードを公開)


みごと、そのマフィアが現金のトランクを持っていたら


逮捕となり、捜査官の勝利となる。

しかし、持っていたのが偽札だったら逮捕失敗となり、捜査官プレイヤーは負け。
つまり、告発は1回しかできないのである。



さて、暗黒街に行くとイベントカードを1枚めくることができる。


大体は、カードをめくったプレイヤーに有利に働くものがほとんど


カードは13枚あるのだが、種類としては6種類




他のプレイヤーのキャスティングカードを見られるものや


コンテンツカードを交換できるもの


コンテンツカードの確認・・


全プレイヤーが時計回りにコンテンツカードを交換するものもある


プレイヤーを1人、留置所送りにすることができるカードもあって




ボード右上に「留置所」がある


ここに送られたプレイヤーは、手番でサイコロを振って
1~4なら留置所から出られるが、5,6の場合は留まらなくてはならない



ゲームにはいくつか「シナリオ」が用意されていて、もっとも簡単なのがこれ


捜査官は赤い網掛けのラウンドでのみ逮捕することが可能で
18ラウンドが終了してしまうと、全プレイヤーが負けになってしまう

※全プレイヤーが1回ずつ手番をやったら1ラウンド終了


このシナリオでは、第4ラウンドで自分のコンテンツカードをチェックする機会がある




そして、第11ラウンドでは全プレイヤーにコンテンツカードを公開します





次、封鎖都市というシナリオ




このシナリオでは、港や空港がラウンドによって封鎖されてしまう




こんな感じのタイルが置かれてしまいます



当然、脱出が厳しくなる。



こういうシナリオもあって


このシナリオでは、偽札トランクに仕込まれた発信機が暗躍します。


ラウンドによって、特定の発信機を持っているプレイヤーは無条件で脱落・・




2人1組でタッグになって、脱出を目指すシナリオもあります


このシナリオでは、チームメイトのうちどちらかが脱出できれば勝ち
捜査官は居なくて、全員がマフィアになります。


パートナープレイヤーとコンテンツカードを見せ合うことができる機会があったり




パートナーとコマの位置を交換




終盤になると、コンテンツカードを交換する機会もある



シナリオによって難易度が変わります。
「ビギナーズラック」が入門編という感じ。



では、、諸君の幸運を祈る!w





プレイ記


Mちゃん、ルフィくん、相棒と俺の4人プレイ



俺は、、マフィアでトランクの中身は偽札か。。




とりあえず、何は無くとも偽造パスポート


先陣を切ってイソイソと取りに行く。

ちなみに俺のコマは黒


相棒「ハイ、たっくん交換」


なるほど、ということはあれは偽札だな・・

まあ、俺の方も偽札なんだけどw



シナリオは、最初なので「ビギナーズラック」


第4ラウンドで自分のコンテンツカードを確認出来たりするので
非常に楽なシナリオだ



いろいろトランクの交換は頻繁にあるものの、それ以外は特に
変わったこともなく、パスポートを入手




他のみんなも、それぞれパスポートを入手する




そして、第4ラウンドを迎える


俺「じゃあ、各自自分のトランクを見ていいよー」


俺のトランクは・・


おっと。。。これは。。

これ、最初に持ってたのは誰だ?・・

それに、あと2ラウンドで逮捕される可能性も出てくるんだよな。
(シナリオ的に逮捕可能ラウンドに入るので)


ルフィくん以外の3人は、手配師でチケットを入手




俺は航空券を選択。理由は手配師の場所から近いから^^;単純に



しかし、現ナマのトランクはルフィくんに持っていかれてしまう

そして逮捕可能ラウンドに突入・・


すると、次の瞬間


Mちゃん「潜入捜査官です。ルフィくん逮捕!」


ルフィくん、あっさり捕まってゲーム終了。Mちゃんの勝ち



Mちゃん「私、最初に現金持ってたんですよ」

なるほどね、それで現金が今どこにあるかはっきり分かってたのか

こえー^^;





だんだん慣れてきたので、シナリオを変更

「封鎖都市」を選択してみる



コンテンツを確認するラウンドが無くなった上に
手配師の場所から近い空港が早い段階で使えなくなってしまうシナリオだ




俺の初期手札は。。


相変わらず、マフィアにフェイクマネー。


最初のゲームと同様、立ち上がりは非常に静かなのだが・・


あっという間に空港閉鎖


しかし、ダイス運が悪くてコマが進まねーな




相棒は早々と船券ゲット




逮捕可能ラウンドに突入



ヤバイな、チケットの手配もままならないこの状況で
下手に現金を持ち歩いていると、サツに捕まるかもしれん


1手番消費してしまうのは痛いが、ここはトランクを確認しておく


偽札だ、ちょっと安心。

それを見ていた相棒

相棒「うーん・・暗黒街行く」




タレコミ屋だ(任意のプレイヤーのキャスティングカードを見ることができる)

相棒「たっくん、見せて」

IDカードを渡す俺

相棒「いやいや、それじゃないからw」

しぶしぶカードを渡す俺。

相棒「ふーん・・なるほどねぇw」

くそっ


と、そんなやりとりを尻目に、船券を持って港に近づくMちゃん


俺「やばいんじゃないの??あれ」


後を追うように、相棒も同じように船券を持って港に近づいていく


俺「やばいんじゃないの?やばいんじゃないの??」


しかし・・


現ナマのトランクはここ(笑


ルフィくんが暗黒街で、任意の誰かとトランクを交換できるカードを引く


俺「あの2人のうちどっちかと交換しといたほうがいいんじゃないの?」

(現金は俺が持ってるけどw)

ルフィくん「うーん・・」

ルフィくん「でも、自分のトランクの中身が何なのか知らないんですよ・・」

俺「あ、そうなの?そうすると、みすみす現金を渡しちゃうことになるかもしれないね・・」
(しつこいようだが、現金は俺の手元w)


その間に、俺は航空券を手に入れて、空港が開放されるのを待つ・・とw


現金も持ってるので、あとはいかにして怪しまれないように空港に近づくかだ


自分が持ってるのは偽札だアピールのために、暗黒街に寄り道

警察官を引く。任意の誰かを留置所送りにできる。




なんとなく、第六感でMちゃんを留置所送りにする


Mちゃん「えー・・」


空港の封鎖が解かれた。よし、そろそろ行くか。


比較的空港の近くに人が集まってるから
今空港に近づいても目立たないし。


そーっと空港に近づくのだが


現金入りのトランクをルフィくんに掠め取られてしまう

どうやら、中身を知っているらしい。くそーー


こうなると、現金トランクの奪い合い。Mちゃんも参戦


三つ巴戦か?相棒も航空券を持って近づいてきた

こりゃあいよいよもって泥仕合だな









Mちゃん「逮捕します」

なぬー

捜査官だったの???

全然分からなかった・・orz



評価・・・

※評価の基準についてはこちら
お正月の企画で教えてもらったゲームなんだけど、ナニコレ? 

こんなゲーム作ってる日本のメーカーがあったの?
すごい面白いですヨ、グラパックジャパン株式会社さん!!

コンポーネントの質感やデザインも良く出来てるし、なんというかこだわりを感じる。
カードの質感は、さすがにDaysOfWonderやアミーゴには及ばないかな、、
といったところなんだけど、でも少なくとも日本のメーカーの中ではかなりハイレベル。

言語依存があるゲームだけど、カードには3言語が併記され
シナリオも言語の種類数分、用意されているという親切さ。

ボードも雰囲気があるし、超ぶ厚くてしっかりしてる。
これ、紙製なのかな?w


で、肝心のゲーム内容なんだけど、これも良く考えられてる。

本物のお金が入ったトランクは1つだけ、というところまでは
誰でも思いつきそうなアイデアなんだけど、このゲームで
一番良く出来てるのは"潜入捜査官"の存在にあると思う。

今回は刑事が居るのか居ないのか?、居るとしたら誰なのか
その揺らぎが実にいい緊張感というか恐怖感を醸しだしている。

これが、ゲームをただのトランクの奪い合いだけでは決してない
深みを与えているように思う。

でも刑事の方も正体がバレてしまっては誰も近寄ってきてくれない。
まさに本物の潜入捜査の気分そのものなんじゃないかと。

何かが破綻したら即終了という危険性を持つゲームだと思うのだけど
1ゲーム15~20分程度と、非常に短時間ゲーなので
破綻したままゲームを続けなければいけないような状況には、なりにくいのがいいと思う。

逆に言うとそういう短時間ゲームだからこそ、少々破綻するような要素を
持っていたほうが面白味が増すとさえ言える。
破綻しかねないからこそ、独特の緊張感があるというか。


ただ細かいところではあるのだけれど、もう少し洗練できそうな部分はあるかな。

まずサイコロ。1~6の目の普通のサイコロじゃなくて
2と5の目が1つずつ、3と4の目が2つずつくらいが良さそうな感じ。

というのも、1の目が出てしまうとちょっと切なすぎるので。。

サイコロの目が1か6かでは、1手番分くらいの差がでてしまうので
ちょっと微調整した方が良さそう。

あるいは、いっそサイコロじゃなくて少ないマス数の移動なら
危険が少ない(コンテンツカードとかキャスティングカードがバレるとか)けど
大きく移動するときは、そういう危険性が増えるとか、そういう感じのデザインでも
良かったんじゃないかと思う。

あと、留置所からの脱出もただのサイコロ運じゃなくて、ここももうひと捻りあると
尚良かったかなー。


それと、ちょっと強調しておいた方が良さそうなのは、コンテンツカードのすり替えは
フリをするだけでもOKという点。
もちろんきちんとルールブックには書かれているんだけれど。

なんでかって言うと、潜入捜査官にとっては現金のありかが分かってしまえば
あとは基本的に逮捕可能ラウンドを待つだけなので、刑事が居そうな雰囲気を
察したら、すり替えたフリを適度に混ぜていかないとすぐに捕まってしまうから。

まあ、そのへんから先は読み合い探りあいの世界になるわけだけど
特にプレイ回数が少ないうちは、このあたりをみんなが分かってないと
刑事に有利な状況になりがちな感じがしたので。

シナリオに関しては全部やったわけじゃないけど、とりあえず「封鎖都市」は面白かった。
「ビギナーズラック」はホントにゲームに慣れるためのシナリオって感じで
ちょっと慣れたらすぐにもう少し難易度の高いシナリオにした方がいいと思う。

未プレイなんだけど、タッグマッチのシナリオもすごく面白そう。

***


ゲームデザインに関して注文があるのは、サイコロ関連だけかな。
あとは、コマを倒れにくくして欲しいのと、できればカードの質を
アミーゴやDOW並みにしてもらえたら最高だなぁ。

特にキャスティングカードやコンテンツカードはカードの背にキズや印でも
付いてしまうとゲームにならなくなってしまうので。。

日本で普通に手に入るサイズのカードスリーブにピッタリ入るようにして欲しい。

2012/01/19


JohnnyBet



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