No.81
指輪物語 対決
Der Herr der ringe Entscheidung
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プレイ人数:2人
プレイ時間:約30分
プレイ時間:約30分
ルール難易度 各キャラクターの能力が個別に設定されている関係でちょっと複雑
日本語化 必須かな。。カードもコマも
あの有名なお話を題材にした軍人将棋である。 コマは登場人物になっていて、それぞれ特殊能力を持っており 間違いなく原作を知っていたほうが分かりやすい。 小説でも映画でもいいけど、やっぱりお手軽なのは映画かな。それでも3部作で長いけど。 ボード全景。片方が善側、もう片方が悪側を担当します。 白いコマは善側。9人います。 悪のほうから見るとこんな感じ。 軍人将棋と同じように、最初はお互い相手のコマがなんなのかは分からないようになっている。 コマは基本的に一歩ずつ前進あるのみで 悪のコマと善のコマが同じ場所に入ると戦闘が発生する。 戦闘になったら、お互いのコマを開示する。 このとき初めて相手のコマがなんなのかが分かる。 戦闘の手順は ①特殊能力の解決 戦闘になったコマ同士の組み合わせによっては一方的に勝てる場合があったりするので そういうキャラクターが持つ特殊能力の比較をする。 ②カードのプレイ 特殊能力の比較で決着がつかない場合、お互い1枚ずつカードをプレイする。 カードは1~6までの数字(善は1~5)と「相打ちにする」などの特殊な効果を発揮するものがある。 ③数値の比較 カードの特殊効果でも決着がつかない場合は、戦闘力の比較を行う。 キャラクターが持つ基本戦闘力にプレイされたカードの数字の合計で勝負する。 さっきの写真の場合、悪が2+4=6。善が5+2=7で善の勝ちになる。 善側の布陣。基本戦闘力が高いのはガンダルフとアラゴルン。 ホビットたちは、みなおしなべて弱い。この辺は原作のイメージどおり。 善側のキーキャラクター、フロド。 コイツを敵陣の最奥(モルドール)に入れれば勝ちである。 しかし、倒されてしまうとその時点で負けになってしまう。 基本戦闘力は1でヨワヨワなので、1人で突っ込ませるわけには当然いかない。 特殊能力は、攻撃されたとき横にスライドして逃げられること。 まともにぶつかっては勝てないので基本は逃げである。 事実上の最強キャラ、ガンダルフ。 基本戦闘力が5と高く、カードプレイ時に相手のプレイしたカードを見てから 自分のプレイするカードを決められるという強烈な特殊能力を持っている。 ほとんどの戦闘で相打ち以上には持ち込むことができる。 逆に言うとガンダルフがやられてしまうと善側はかなりキツイことになる。 フロドの忠実な従者、サム。 基本戦闘力は2だが、フロドと同じマスにいるときは5にパワーアップする上に フロドが攻撃されたとき代わりに闘うことができる。 まさにフロドのボディーガード役そのもの。 ピピン、ギムリ。 ギムリは敵キャラがオークだった場合、必殺することができる。 オークの特殊能力はかなり脅威なのでけっこう重要。 基本戦闘力もそれほど低くなくほどほどに戦える。 ピピンはフロドとちょっと似てる。 ただフロドが横に逃げられるのに対してピピンは後ろに逃げることができる。 相手の正体暴き役として最適。悪側からするとかなりウザイ奴。 そして、自爆テロ野郎ボロミア。 基本戦闘力は0で最弱。しかし、そんなものは関係ない。 ターゲットロックオンしたら、道連れにするのみである。 悪側の布陣。 基本戦闘力が高く、5が3体もいる上にトロルにいたっては9である。 バルログ、フライングナズグル、サルマンなどは原作ファンおなじみ。 ポイントはオークとワーグ。どちらも基本戦闘力は2と弱めなのだが、、 オークは自分から攻撃を仕掛けたとき、相手を必殺できる。 この能力は善側にとってかなり脅威である。 そしてワーグ。相手の特殊能力を無効にする。 善側のボロミアと相打ちにならず、打ち勝つことのできる唯一のキャラクター。※モリアに居るバルログを除く そしてフロドはワーグとの戦闘で退却できなくなるのでこれも有効。 サルマンもなかなか強力。戦闘力は4で、怖いのはガンダルフくらい。 それ以外のキャラクターとの戦闘では最悪でも相打ち以上くらいには持ち込める。 シェロブは戦闘力が5と高いうえに、唯一戦闘以外で後ろに下がることが出来るキャラ。 最初は有用性が分かりづらいのだが、プレイしているうちにこれは非常に便利だと気付く。 ★モリアの坑道★ 基本的に1つのマスには2キャラクターまで居ることができるのだが 中央の山脈には1キャラクターしか入れない。 また、ここでは特殊能力を使っても横に移動できないルールがあるため サムと一緒に行動できず、横に退却できなくなるフロドにとって危険きわまりないポイントとなる。 ところが善側は、この山越えをすっ飛ばすモリアの坑道というのが使える。 善側のみ、山脈をすり抜けてHOLLINからFANGORNへ一気に進むことができるのである。 しかし、そこにはバルログという強敵が待ち構えている。。 ※バルログはモリアにいるとき、坑道を通ろうとするキャラクターを必殺できる。 悪側はフロドを倒すか、最奥(ホビット庄)に3キャラクター入れれば勝ち。
Knizia, Reiner |
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プレイ記
○さんと対戦 昼間、悪側でやって負けたのでリベンジマッチ ○さんは、1手目で山脈にコマを進めて来なかったので こちらは、モリアの坑道を使ってアラゴルンを一気に敵エリアに送り込んでみた。 ピピンで正体暴きをすると、まあ大体撤退か自爆することになるのだが、アラゴルンなら互角以上の勝負も十分見込める。 しかし、、、相手はシェロブだった・・分が悪い。 仕方ない、テキストカードをプレイしてきたときに打ち勝てるように2を出しておく。 ここで、4とか5を出して結局負けてしまうのが一番避けたかったので、一応最悪の事態は回避したかなといったところ。 なんかポッカリ空いちゃった感じだけど 今度はピピンで突っ込んでみる うわ、、指輪の幽鬼か 通常であれば撤退を選択するところだけど、指輪の幽鬼を必殺できるメリーが離れた位置に居たことと 下がっても追い打ちをかけられてしまえばさらに状況が悪化する可能性もあると考えて 敢えて勝負を挑んでみる。 結果 よっしゃーー勝ったどーー やはり読み通り、こちらのテキストカード(というか自爆カード)を無効化するサウロンの目で来た。 サウロンの目は、数字カードを無効化できないので 5対6(1+5)で勝利! とは言っても、ようやくこれで大体五分に戻したって感じなんだけどね。 こういう状況 なんか妙な動きを見せてきた あの端に移動したのは、なんだろう? つーか、ピピンと分かっているのを避けるってのは、、、少なくともオークとは考えづらいかな。 たぶん、フロドにサイドを突破されないための布石なんじゃないだろうか、と見た。 まだまだ、こちらは悪側の出方を窺ってる状況 なんか真ん中に来たぞ ピピンで行ってみる ○さん「トロルでしたー」 なるほど^^; じゃあここは迷うこと無く自爆だな この段階で、オークとワーグはモルドールに居る4つの中に居ると確信。 というのも、山脈の右端に居る1体はなかなか動きを見せなかったので こいつがワーグかオークなら、こんなに長く居座ったりしないで突っ込ませたくなるだろうから。。 まあ、サルマンだろうな。 ガンダルフの場所がまだ見えてないから躊躇してるんじゃないかと読んだ。 シェロブがメリーに突っ込んできたので 魔法で自爆をコピーして応戦するものの、、横移動で回避されてしまった。 うーん、その手は上手いなー。 自爆カードを無効化された上に、シェロブも悠々と生き残らせてしまった。 そしてナズグルがいきなりホビット庄に飛んできた。 サムは倒されるものの、なんとかボロミアで爆死してもらう。 これちょっとルールミスってた、ナズグルと黒馬って似てるけど微妙にいろいろ能力が違ってて ナズグルは特殊能力で一気に攻撃移動する場合は善側のコマが1つのマスだけ さらに悪い状況は続き、、ガンダルフ対シェロブ 基本戦闘力は5対5で互角なんだけど、6とか出されるとこっちとしてはもうエルフのマントで無効化して相打ちに持ち込むしか無い。 やばいなー、それはかなり手痛い。。 ガンダルフを失った善側の心もとない感じといったら。。。 悪側は、さらに攻勢をかけてきて、今度は馬がフロドに突っ込んできた。 こんなの当然、横に退却。 で、瞬時にモリアの坑道を使える位置にコマを進める。 ホビット庄を悪側のコマ3体で制圧される可能性が出てきたので レゴラスとギムリの位置がバレてないということと、おそらくはモルドールにワーグとオークが残っていることを見越して 敢えてフロドをモルドールの直前まで移動させてみる。 ギムリかもしれないと思ってくれれば、オークでは手出しがしにくいし、ワーグでいったとしても基本戦闘力で不利になる。 けど、、フロドかもしれないと思えばそういうリスク承知でワーグで来るのかな、と思っていたのだが 結局どちらも動かず。 あっさりモルドールにフロドが侵入して勝利。 ○さん「あれ?これって戦闘にはならないんでしたっけ?」 ならないよ。。。なんかちょっとガクッときてしまいました orz
評価・・・
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素晴らしい! 何が良いかって、原作のイメージそのままのルール設定で コマ(キャラクター)の能力は、全部違っていて個性がある。 原作ファンならどれも違和感無いものばかりだ。 もし原作を知らないという人は、絶対に小説か映画を観ておいた方がいい。 まぁ超がつくぐらい有名なお話だけれど。。 それでいて、絶妙なゲームバランスとなるようにデザインされているのだから凄い。 クニツィアの凄さを改めて再認識させられる。 もちろん雰囲気は抜群。1ゲーム20~30分程で割とさっくり終わる割に ジレンマの連続で、もちろんゲームがだれることなど無い。 こういう短時間で終わるゲームは、あっさりし過ぎてて満足感が足りないことが けっこうあるが、そういう感じは一切しない。とても濃密な時間が過ごせる。 勝負がついたあとも、自然と感想戦が始まるくらい熱い読み合いになる。 強いて欠点を挙げるとしたら、善側と悪側でちょっと難易度が異なることくらいかな。 善側は勝ち筋が分かるまで少々時間がかかる。 しかしその分、善側の方がやりがいがあると言えると思う。 思い入れもあることだしね。 でももちろん悪側も十分に面白い。まぁルールブックにも書いてあるけど 善と悪、両方でプレイするのがいいだろう。 あと、それなりの思考力を要求されるので、あまりに差があると難しい場合もあるかもしれない。 若干プレイヤーを選ぶので、そういうところはなんとなくだけど アブストラクトっぽい感じもする。 でもゲームとしてはシステム、テーマ性、共に申し分なし。傑作と言ってもいいかもしれない。JohnnyBet ツイート■追記 1年前くらいあたりだったか、一時期こればっかりやっててさすがちょっと飽きがきてたところだったんだけど 久しぶりにやってみたら、やっぱり面白いですねこれ。 2人用ゲームの最高峰の1つだと確信します。 最後の方は2択になっちゃうことも多いんだけど、もちろんその2択に行き着くまでの過程ってのもあるのでそんな単純なもんではありえない。 最初は悪側の方がとっつきやすいとか、そういうのはあるとは思うけど、やりこんでいくとどっちが有利とかはほとんど感じないですね。 善側と悪側で、それぞれのコマが持つ能力からカードの構成から、勝利条件まで全く違うのに、こんな絶妙なバランスに仕上がってるというのは ホント見事としか言いようがない。 もう私なんかに言えることは他に無いです。 まあ、、強いて言えば 日本語版!! 本当にそれくらいですよ。 2014/10/25戦術的感想1