たっくんのボードゲーム日記

No.287
キングダム
Kingdoms
プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約30

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要



5×6のマスが描かれた割と小さめのボードです。


このボードに、タイルやコマを置いていくゲームです。


まずタイル。青はプラスの勝利点、赤はマイナスの勝利点。


分かりにくいことは無いと思う。
※ルールブックでは「勝利点」ではなく、「税収」と表記されているのだが
 ここでは敢えて勝利点と記述します。


タイルは全プレイヤーで共有します。


そしてコマはこんな感じ。お城です。


お城コマは各プレイヤー1色選んで、1セットずつ持ちます。
上の写真で1人分のセットになります。


お城は4種類あるのだが

まずレベル1のお城が4つ




レベル2のお城が3つ



お城のレベルは建っている塔の数で表されています。


レベル3が2つ




そして、一番立派なレベル4のお城が1つという構成




手番ではタイルかお城を1つ、ボードに置いていくのだが

お城と同じ列(行)にあるタイルの勝利点の合計×お城のレベル
これがもらえる勝利点になる。

たとえばこんな場合なら


縦の列で+6-2+3と置かれているので合計は+7点

この列には赤と青のお城が1つずつ含まれている。

しかし赤のプレイヤーのお城はレベル1なので、7×1=7点だが
青のプレイヤーはレベル2なので7×2=14点となる。


得点計算は、横の列(行)についても行います


この場合なら、-5-4-3-1+2 = -11点で


この行には、青のレベル2の城があるので

-11×2 = -22点となります。

レベルの高い城はプラス点であってもマイナス点であっても
点数の数値を大きくします。


こんな感じでボードがタイルと城で埋まっていきます。


マイナス点はなるべく他プレイヤーに押し付けて、自分の城の列には
プラス点の大きいタイルを置いていきます。


手番ではタイルを1枚置くか、城を1つ置くかの2択。

城を置く場合はもちろん、手持ちの自分の色の城を置きます。


タイルを置く場合は、ボード脇のタイル山から1枚引いてきます。



しかし、最初に1枚ずつタイルが配られて



このタイルだけは、あらかじめタイルの中身を見ておいて
山から引いて置く代わりに、任意のタイミングで置くことができる。




ボードがタイルもしくはお城で埋まったら1ラウンド終了で、前述のルールに従って得点をつけます。

ゲームは全3ラウンドで構成され、ラウンドごとにタイルは全てシャッフルされるのだが


レベル1以外のお城コマはラウンド終了時に手元に戻ってこない。

つまりレベル1以外のお城はゲーム中、1回ずつしか使えないのである。

特にレベル4は1つしかないので非常に貴重。


さてタイルは全部で23枚あるのだが、そのうち5枚はちょっと特殊な効果のタイルになっている。


山岳のタイルは2枚あるので、種類としては4種類。


まず、この「金鉱」は同じ列にあるすべてのタイルの数値を2倍にします。




たとえば、この列のタイルの合計は+3点


しかし、金鉱が含まれているので2倍で+6点

この列には青のレベル3の城があるので

6×3=18点を青プレイヤーはゲットできる。


このタイルは「魔法使い」


魔法使いは上下左右に隣接して置かれているお城のレベルを1つ上げます

なので、この青のレベル3の城はレベル4にパワーアップする。


山岳タイルは列を2つに分断します。


この場合、赤と青のお城は山岳を挟んで別々のエリアを形成していることになるので

左側(赤のお城側)のタイルは+2点
右側(青のお城側)のタイルは+5点がそれぞれ基礎点になる。

山岳は縦の列も分断するので、この場合山岳の下に置かれている「金鉱」タイルの効果は
山岳より上に置かれているエリアに影響を及ぼさないことになる。


そして、ドラゴンタイルは


同じ列に置かれている青のタイル(プラス点のタイル)をすべて0点にしてしまう。。
マイナスのタイルには影響を及ぼさず、金鉱と同様に山岳で分断されている場合は
山岳の反対側にはドラゴンの効果は波及しません。



3ラウンド終了時、最も勝利点を稼いだプレイヤーの勝ち







Knizia, Reiner
プレイ記


相棒と対戦




配られたタイルは


+3か


序盤、相棒の出方を窺うべく
あまり偏らないように注意しながらタイルを置いていく。




相棒「レベル1の城置く」


来たか、こっちもそろそろ本格的に動き始めることにする


ウィザードを引いた。相棒の城には影響を及ぼさないようにしつつ
このタイルで相棒のレベル1の城の縦列スペースを埋めてみる。




そろそろ、こちらも城を置くか。
ウィザードを利用してレベルを上げられるように置くことにする。




その後、+5、+6とたて続けに引いてきた


もちろん、自分の城の列に置く


ま、そうするとマイナスタイルを相手に引かれた場合、的にされるわけだが^^;




よし、ここで手札の+3を使うか。
変なタイルを置かれたくないので、先に埋めておきたい。




相棒「うーん。。じゃあ私も城置く」


んー、そこはもうちょっとレベルの高い城にした方がいいんじゃないか?^^;


2枚目の+3を引いた。この縦列は相棒がレベル1に対して俺の城は
ウィザード付きなのでレベル3。ここはプラス点を伸ばしておいた方が有利なので。




その次の手番。おっとドラゴン引きましたよ。



相棒の城の列であれば、さしあたってどこに置いても良さそうなので。このへんに。。


相棒は+4を引いたのだが、まあそこしか置くところ無いだろうね^^;


相棒の赤い城はレベル1が4つも乱立。


それに対して、俺はまだレベル2を1つ置いただけ


いや、まてよ。あそこはかなり美味しいんじゃないか?




ここの縦列は基礎点が13もあるのでレベル3の城を置いてみることにする。


これで39点はでかいと思う。


第1ラウンド終了 1列ずつ得点計算する


相棒「・・・ちょっとこれもうダブルスコア?」

相棒・・・40点
俺 ・・・84点

俺「でも俺はレベル3とレベル2を使っちゃってるし」

相棒「うーん。。」


第2ラウンド。タイルは+1か、あまり面白くないなー




第1ラウンドと同じく、ある程度タイルが置かれるまでは2人とも城は置かず。




しかし、今回は先手を取って置いてみる。レベル1だけど。


とりあえず1個置いておけばある程度の指針になる。


なんかかなり美味しいことになってきたぞw




相棒もようやくレベル2の城を出してきたのだが


こちらはウィザードも手伝って合計レベル3で有利な状況


さらに真ん中付近に置いたレベル2の城がかなり美味しい状況




相棒「もう勝てないよ・・これ」



少々泣きが入りだしたので、少しアドバイスする^^;


第3ラウンド、タイルは少々攻撃的な-5






いや、だからさ、そんなに城置いたらマイナスタイルの格好の的になっちゃうってばよ^^;



ついにレベル4の城まで登場


マジかいな。。


しかし、その後連続で大きいプラスのタイルを引いて、そのレベル4の横に並べ始めたので


さすがにこれは見過ごすわけにいかず、俺もレベル4を隣に置いて対抗。




第3ラウンド終了時



相棒「あー、もうちょっとうまく置けたなぁ。」



■結果

相棒たっくん
第2ラウンド終わった時点で、もっと圧勝かと思ってたけど 意外と追い上げられてました。

評価・・・

※評価の基準についてはこちら
あまり陣取りゲームという気はしないな。

どっちかと言うと、複雑なパズルを解いてるような印象が強い。
同じ作者のケルト追加ボードあたりに通じるものを感じる。

十分良く出来てるし、面白いんだけど個人的なストライクゾーンからはちょっと外れてるかも。

ちょっとタイルの効果が直接的に作用し過ぎてて、そのへんがちょっと合わない。
マイナスのでかいタイルを相手の城の列に押し付けるとか。

もちろんそれだけじゃない奥深さや戦略性も十分あるんだけど
一番分かりやすい、目に見える効果がちと胃に悪いものがある。
相棒もその辺が一番合わなかったみたい。
たぶん女性受けはあまりしないタイプのゲームなんじゃないかと思った。

実にらしいと言えばらしい作品なんだけど、システムが数学的でドライなんだよね~。

23枚しかないし、構成も単純なので別段難しいことじゃないんだけどタイル構成の把握は必須だし。

そういうゲームの性質もあまり初心者受けは良く無さそうに思う。


ただ、そういうもろもろのマイナス要素を抱えているとは思うもののやっぱ面白い。
ストライクゾーンから外れてるかもしれないけど、完成度の高さというか魅力的なものも持ってるんだよね。

まず、タイルかコマを1つボードに置くだけというシンプルさ。

タイルの効果も複雑なものは見当たらず、特殊効果を持つものも4種類だけ。
ちょっとゲーム慣れしている人なら難なくスッと入っていくことができると思う。

そして、その単純なアクションの裏に実にいろいろと考える要素が盛り込まれてる。

こういうところは逆に好きな要素。

プレイ人数は2-4人となっているけれど、これは2人プレイ専用と言ってもいいんじゃないかと思う。
非常にアブストラクトチックでガチンコ対戦向きという感じ。
でもオープンタイルのバリエーションもルールブックに書いてあるけれど、それはちょっとやり過ぎかな。
運任せで引いてきたタイルをどううまく使うか考えるあたりに面白味を感じるので。

それにラウンドの終盤は、何が残っているかかなりあぶり出せるので敢えてオープンタイルでなくても
十分思考性というか実力差みたいなものは出るはず。


あとこのアークライト版のコンポーネントも良く出来てる。良くこの値段で抑えたと思う、すごい。
特にタイルの質がいい感じ。厚みがあって紙の質感もバッチリ。

ボードもしっかりビニール袋で梱包されてて、こういうところは日本のメーカーの親切さを感じる。

あと、「市場のお店」のような数字が書かれただけのチップというよりは、こういう立体造形の
お城コマの方が雰囲気があっていいと思う。

ただ、このお城コマをもうちょっと大きく丁寧に作って欲しかったんだけどちょっと欲張り過ぎかな。
個人的にはもう少しくらい価格が高くなってもいいから、もう1レベル上の質感のコマが良かったなー。
敢えて言えばだけど。

いずれにしても、この値段でこの内容ならお買い得と言っていいんじゃないかと思う。

でも市場のお店のボードとかコンポーネントの写真を相棒に見せたら、そっちの方が
和やかそうな雰囲気で好きって言ってたんだけど^^;


2012/05/22


JohnnyBet



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