たっくんのボードゲーム日記

No.442
ヘルウィグ
Hellweg westfalicus
プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約60

ルール難易度 やることはシンプルで簡単、でもちょっとクセがある。まあシャハトなので。。
日本語化 不要

ボード全景


ドイツの各都市に、商館が1〜2個ずつ描かれ、都市同士は道路で接続されています。

ここを舞台に商品を仕入れては売り、お金を稼ぐゲームです。
ゲーム終了時に、もっともお金を持っているプレイヤーがゲームに勝利します。


各商館は3種類の色に分けられていて、それぞれビール、鉄器、塩を扱います。



あと、右下に「市場」というエリアがあってこれは後ほど・・



お金です


金貨:20ターラー
銀貨:5ターラー
銅貨:1ターラー

となっています

これらは商品コマ


色はプレイヤーカラーを表します。

ということで、これらの商品コマは1人1色を選んで手元に持ちます。


商品コマは、商館の上に置きます。


置かれた商館によって、その商品コマがビール、鉄器、塩のいずれかが決まります。

上記の例では、赤のプレイヤーはビール3個、鉄器1個をDortmundの商館で、塩1個をSoestの商館で保有しています。

それとは、別で「商品カード」というのもあってこちらは4種類あります。



カードの左上が買値(仕入れ値)で、右上が売値です。


商品コマは、ゲームが終わる前に売ってお金に換えなければ無価値になってしまいますが
カードの方は、ゲーム終了時に売値で示された値段で必ず売ることができます


さらに商品カードの組み合わせによっては、より高く売れることもあります。



しかし、商品カードは仕入れ値が高いので序盤はなかなか買えません。


で、商品コマの方を売買して稼ぐわけですが


ラウンドの最初に、上記の「貿易カード」を1枚オープンにします。


貿易カードには、4つの都市の名前と取引が行われる商品の種類、そして取引値が書かれています。



このカードの場合、とりあえずEssenでは白(塩)が1つ5ターラーで取引されます。



Essenには白(塩)の商館があるので、ここに商品コマを置いていれば売ることができます。


ただし、1つの都市で1度に売れるのは1人1個だけ

1枚の貿易カードには都市が4つずつ描かれているので、1ラウンドで最大4個の商品を売却できます。


赤のプレイヤーも塩を持っていますが、場所がSoestの商館です。


この場合はEssenで売ることはできませんが・・

取引されている都市と、保管している都市が自分の台車でつながっていれば売ることができます。



道路が茶色の場合も同様に商品を運ぶことができますが


茶色の道路は「舗装されていない道路」で、ここに置いた台車コマは1回使ったら手元に戻さなければなりません。


しかし、2個の台車コマを置いている場合は舗装されている道路と同様に
手元に戻す必要がなくなり何回でも利用することができます。


つまり、舗装された道路に置かれた台車コマと、舗装されていない道路に置かれた2つの台車コマはルール上同じ意味になります。


さて、商品コマを商館に置くには商人コマを使います。


商人コマは1人2つずつ持っています。

手番が回ってきたら、貿易カードの4つの都市のいずれかに自分の商人コマを置くことができます。


置いたら、まずその都市に書かれたコスト(この場合5ターラー)を支払います。


商人コマを置いた都市に描かれている商品コマと台車コマの数だけボードに置くことができます。


この場合は、Essenの塩の商館に対して商品2つに台車1つです。


ということで、Essenの商館に商品コマを2つ置けます。


台車は対象の都市(この場合はEssen)に隣接する道路に置きます。



※台車を置いた道路の脇に小さな家が描かれている場合は1ターラーの収入があります





貿易カード上の1つの都市には、商人コマを1つしか置くことができません。





商人コマは市場に置くこともできます。
ここにコマを置くことで取り得る選択肢はいろいろあるのだが

まず、1ターラーもらうというのが1つ

手堅く稼ぐ感じ


逆に1ターラー払って、商品コマか台車コマをどちらか1つ置くこともできます。




ただし、どこに置いても良いわけではなく


台車なら、自分の商品コマが置かれている都市に隣接する道路に置けます


商品コマを置く場合も、あらかじめ自分の商品コマが置かれている都市にしか置けません。




商品コマは2つずつ持っているので、1ラウンドで2つ置けます。
で、1個目を市場に置いていると仕入れ値が2ターラー安くなります。



あと、市場に置いたときの選択肢として、件のお高い商品カードを購入することもできます。


この場合も1個目の商人コマを市場に置いていた場合は2ターラー安くなります。

商品カードにはちょっとした特典が付いていて


このマークが付いている場合は、台車コマを1つ置けます。
(※この場合も、あらかじめ自分の商品コマが置かれている都市に隣接する道路のみに置けます)


これらの数字が書かれている場合は、数字のバックの色と同じ色の商品(コマ)を売却したときにボーナス収入の1ターラーが貰えます。



こちらは、舗装されてない道路に台車を1つしか置いていない場合で商品を輸送したときに
台車を手元に戻すのと同時に1ターラーもらえます。




■ゲームの流れ

1.貿易カードをめくる



2.ボード上の商館に置かれた商品コマを、貿易カードに書かれている都市や、そこで取引される商品、価格の表示に従って売却する

3.商人コマを貿易カードか市場マスの上に置く
  ※1人2つずつ持っているので全員2回ずつ(2周)プレイします



これを貿易カードがなくなるまで繰り返して、貿易カードがなくなったらゲーム終了。
ラウンドが終わるごとに商人コマは手元に回収します。

最後の貿易カードでは、3.の商人コマの配置は行いません。
その代わり、2.の売却での収入が2ターラー増加します。


最後に、手持ちの商品カードを売値で売却してゲーム終了。


もっともお金を持っているプレイヤーの勝ちです。





Schacht, Michael
プレイ記
えみPさん、こしばてつやさん、たっくんの3人プレイ



俺の手番からスタート



んーー、1手目に置くのは多少割高だけど、とりあえず置いてみる



ここは商館が2つある都市だし、早めに確保しておきたいかなと



ここ繋げたい



こしばさんは悪路を盤石にしてきた






Xantenに商品を置いて、これでようやく鉄、塩、ビールの3つ全部供給体制が整った









毎ラウンド、大体2個ぐらい売れるんだけど、台車が無くなったり、商品の在庫が無くなったりしてちょっと効率悪い。


台車が無くなっても、商品コマが残ってればすぐに補充できるんだけど商品が商館から無くなってしまうと
市場に置いて1ターラーで補充が効かないんだよな・・・

それは分かってるんだけど、5ターラーで売れるとか言われるとつい在庫を全部吐き出してしまう。

えみPさん「ドルトムントに置きます」


あ、それ俺やりたかったんだけどな・・くそぅ


ここは、塩の在庫を積み増しとこう













西側はなんとか大体つながったぞ


えみPさんは右下、こしばさんは中央を横断する感じで販売網を構築

そろそろ纏まったお金が溜まってきたので、商品カードを買う。


ちょっと迷ったけど、塩を1金高く売れるヤツを購入。


東側の販売網も拡大していかないと



右下のエリアは、かなり盤石の体制になったえみPさん






こしばさん「ここ置く〜」











小規模ながら、ビール、ビールと塩、塩の都市を効率よく繋げたかな



んー、ビール3金か。ちょっと安いけど、売る。



CöからHagenに塩を運んで売る。


また台車置かないとなー

お金が貯まってきたので、ここらでもう一丁カードを買う。


これで2枚セットで48金になった。

こしばさん「えー、なにそれ?もう勝てないじゃん」

坂口さん(外野)「そんなことないと思いますよ〜」




やっと確保した48金



えみPさん「ここ、台車足しとこうかな」







鉄、塩、ビール、製造元を確保しつつ販売網も維持するのだが


Paderboneから伸びる台車を2台とも使っちゃったんだよな

ここで商品カード3枚目、これで78金だ


こしばさん「えー、もう絶対無理じゃん、ぐっちー(坂口さん)あともう適当にやっといて〜」

たっくん「いやいや、まだ分からないと思いますよ」

3者3様だけれど、それぞれの販売網


最後の売りの機会に備える


ラストの貿易カード!


ん?


うわー、ドルトムントで鉄しか売れなかったーーーーー


それに対して、えみPさんは在庫処分一掃セール、マジか

結果、たっくん89金



こしばさん80金



そして、えみPさん91金で勝利


最後のラウンドで売りまくったのが強烈だったな



評価・・・

※評価の基準についてはこちら
セットアップで最初に商品コマと台車を3個ずつ置くのを忘れてしまったり
最終ラウンドの売却は2ターラーのボーナスが付くのを忘れてたり
まー、かなり散々な状態だったのだけれども、、とりあえずのところかなり面白かったですコレ。

プレイ感がハンザとなんか似てる。

ターラーというお金の単位とシャハト、という部分だけでもハンザを彷彿とさせてくれるわけだけれども
テーマも良く似通ってるというだけでなくて、なんか昔のシャハトの作品を感じさせてくれるように思った。

良く作り込まれたシステムであるのもたぶん事実なんだと思うのだけれど

往年の作品に見られるような、強烈なジレンマはあまり無いかな?
シャハトにしては、アクションの選択肢にちょっと緩さを感じたくらい。

でも良く出来てて面白いんですよね、手番でやることのシンプルさは相変わらずで非常にテンポが良いのは変わってない感じ。
ただ、前述したようにシャハトにしてはちょっと緩い感じを受ける部分もあるので、テンポは良いんだけどキレが無い
と、思われてしまうかもしれないなぁ、というのは大いにあるかも。

面白けりゃいいんじゃない?とは思うんだけどね。

古き良きものを感じさせつつ、新しいシャハトも見ることが出来ると思えばすごく魅力的だし。

***

あくまで今の時点で感じられる範囲で、という話にはなるけれど
インタラクション的な要素が薄いかな?というのはちょっと気になった。

他のプレイヤーの行動が、自分の選択肢に影響を与える部分というと、貿易カードへの商人の配置と
各種1枚ずつしか無い商品カード、この2つでほぼ全部かなと思う。

プレイする前は、貿易カードの部分だけで十分なのかな?と思っていたところあったのだけれど
一度商品コマを商館に置いてしまえば、あとは市場に商人を送り込むだけで1ターラーで在庫を増やせるんですよね。
つまり、一度基盤を構築できてしまえば維持するのは割と容易になるようにできてると思う。

そう考えると、中盤以降は貿易カードをめぐる争いってそんなに激しくはならないのかな?と感じられるところがある。

でもそれじゃシステムとしてうまくないのは当たり前なんだけれども・・・いくらなんでもそんなわけは無いだろうと。

***

ここからは、まだちょっと想像が入ってしまうところが大きいのだけれど

台車コマの足りなさ加減から考えても、シャハトの狙いとしてはゲームを通して販売ネットワークを常に適切になるように組み替えさせるところにあるのだと思う。

つまり、舗装されていない道路であっても敢えて台車コマは1個だけにして(コストを払って2個置くのは効率が悪いと考える)
その時々に応じてどんどん変化させていく面白さがあるんじゃないかなと思った。

そうであるなら、新しい拠点というか商館に商品コマを置く為に貿易カードが争奪戦状態になる図も容易に想像できる。

でもそれなら貿易カードのカウンティングみたいなのは必須と思えてくるのだけれど、ルールブックにそれは必要無いみたいなことが書かれていたのが、なんでなのかまだ良く分からない。

けども、ルール間違ってしまったところもけっこうあったし、たぶんそうでなくてももっとやりこんでみたい感がすごいので、もちろんやったら感想も書き足していきます。

うーん、相当難しいゲームだなぁこれ。

でも手番でやることは単純なので、少なくとも遊びにくくは無いのが良いですね。




まだまだ分かってないところが多いような気がするので、最終的にはAになるのかもしれないなぁと。
でも、もしこれがAならハンザもAにしなきゃダメなような気もするけど。

と言いつつ、2回目、3回目やったら全然違うこと言ってる可能性もありそうだけれど^^;

2014/11/27




■追記

セットアップで3つずつ台車と商品コマをちゃんと置いたら、前回とは違って資金繰りに困ることもなくスムーズに進行しました。
確かに面白いんだけど、なんかシステムを相手に戦ってるような感じでなかなか他のプレイヤーの動向に目が向きづらい気がする。

主なインタラクション部分というと、貿易カードに商人コマを置く部分と、1枚ずつしかない商品カードくらい。
でもそれも結局「早い者勝ち」的な意味合い以上のものが見出しづらくて、淡白かもなぁ。。

商品コマや台車コマの配置は、貿易カードを使った現状のルールで良いと思うんだけど
売却価格に関しては、もうちょっとプレイヤーの動向で変動して欲しいかなぁ。

うーん、たとえば売却できるときは「必ず売却しなければならない」として、貿易カードに描かれている都市ごとに
商品を売ったプレイヤー人数によって売却価格が変わるとか・・

次やるときは拡張ルールを入れてみます。


2014/12/09


JohnnyBet



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